「冗長」日本のDNAかもJAXA月面探査

2024年01月29日

覚えていますか。以前多くの人々の心をつかんだ人工物なのに感情移入された日本が誇る「科学の子」JAXAの「はやぶさ」途中行方不明になったり死にかけたりしながら遥か遠い宇宙空間から地球を目指して必死に帰還した。

 

長い光の尾を延ばしながらオーストラリアだったかな着陸した。あの映像を見ながら本当に涙した人がいかに多かったか。YouTubeにも今でも残っていますね。

 

このときにJAXAの技術者たちの頭脳と機転にびっくりしたことを今でも覚えています。かいつまんで記すとイオンエンジンという特殊な機能の推進器を4基積んだロケットだった。1基は最初から不調。いったん行方不明になったはやぶさがかくれんぼから帰ったのも束の間、エンジンが2基しか動かなくなっていた。地球までの距離を考えたら冷や汗たらたら。

 

するとあろうことかさらに1基も故障。残り1基しかない。一般的に4基のエンジンといえば別々のエンジンと思うのだが複数のエンジンの残能力を使って推進力を得られたら良いのだがと、都合のいいことを素人は言い出す。ところが開発の天才たちはなんとその為の回路を事前に組み込んでいたという。

 

そのおかげで満身創痍ながらも「はやぶさ」は地球に帰った。きっと興味を持った方々は記憶にあるだろう。航空機などにある万一に備えるフェールセーフという設計思想にとても似ているが管理人の解釈ではもう一歩進んだ思想に思える。

 

万一に備えて対策することは一緒だろうが万が一の先の万が一に備えて同じ思考ではなくシステムを変えてでも目的を完遂する。

 

今日なぜこのことを書いているか。それはJAXAの月面探査機SLIMの件だ。ピンポイント着陸は大成功だったが太陽光パネルが当初計画案から向きが変わった。簡単に言えば逆さに着陸したのだという。西側からの太陽光が来れば発電するはずだとの思いを込めてバッテリー供給電源を遮断。予定よりも早く発電が始まったと発表された。

 

太陽光の入射角が違ったのかバッテリー供給電源の一時遮断でリセット機能で正常になったのか知らないがJAXAの天才たちがはやぶさの冗長設計思想のDNAを受け継ぎ万が一の万が一を考えていたのであろう。

 

冗長設計と言うそうだが冗長の「冗」は冗談の冗、これまであまり大切に思われていなかった。無駄話のことや回りくどい表現などに当てる。日本語自体の様々な表現。例えば「雨」日本語にはたくさんの雨の表現がある。だが英語では「lain」くらいしか出てこない。表現の豊富さも冗長の一種のような気がするのは管理人だけか。