コーキングしておきましたは心配?

2023年08月04日

「お仕舞い」という言葉がある。

雨仕舞から来たという説もあるそうです。

 

家造りにとって雨仕舞はとても大事な作業でそれを済ませない事にはすべてが終わらない意味もあるのです。

 

ところで雨仕舞に関する関係深い場所は屋根かも知れませんね。屋根の中でも瓦だと思う人が多いかも知れません。

 

でも一般的な日本瓦の場合は瓦よりもその下地の「ひらぎ」と呼ばれるものかも知れないですよ。

 

そもそもはヒラギは水をはじき防水機能が高い杉などが多く使われていた。本来は屋根を重くすることでバランスが崩れて耐震性等も落ちる傾向がある。それを防ぐために頑丈な構造材が必要になる。

 

結果として見た目も頑丈な家になるのでしょう。

 

さてヒラギだけでも雨仕舞は事足りる。しかし江戸時代は火事が頻発して火の粉が降り注ぎ類焼の危険性があった。それに台風などの風に対しても強度が心配があった。そのために防火や耐風性能を出すための抑えとしての瓦が必要になってきた。

 

するといつの間にかヒラギの役目を他の部材で補えなうようになった。それがルーフィング材と呼ばれるシート状のものです。

 

釘に代わって大型のホッチキスのようなもので固定していくのです。その上に瓦を葺いていくのです。本来は空気が瓦とヒラギの間では循環するような造りになっていたのだが密封してしまった。

 

防錆能力が強くないホッチキスだと結露などですぐに錆びてしまう。つまり防水能力が落ちる。

 

瓦には隙間が本来あった。それは熱せられた空気の抜け道であったり防水の為でもあった。??瓦には角度が付いて雨などが滞留する。その時に密閉したつもりでも細い穴はあるのです。

 

それこそが毛細管現象で水を吸い上げる原因になるのです。経験がないメンテナンス要員は「コーキングが一番!!」と思うものです。

 

でもコーキングのし過ぎで水を中に呼び寄せることになるのです。コーキングしていい場所といけない場所があることを少し知識として持っているだけで家は長持ちするのです。