気まぐれな季節の戯れ

2024年03月17日

三月も中旬を過ぎ、陽光は日に日に暖かさを増し、春の訪れを確かに感じさせてくれるようになった。しかし、その陽光に油断していると、突如として冷たい風が吹き荒れ、冬の面影を色濃く残す肌寒さに襲われることもある。まさに、「逆春」という言葉がぴったりと当てはまる、気まぐれな季節の戯れである。

 

木枯らしのような冷たい風が吹き、大粒の雨が降り注ぐ今日の天候は、まるで春なのか冬なのか、それとも木枯らしの頃なのかと錯覚してしまうほどだ。

 

戸惑う体は、風邪を引いたり体調を崩したりしやすい状態となり、心身ともに不安定な気持ちになるのも無理はないだろう。

 

少し前の初春を思わせる陽気に誘われて小さな虫たちが部屋に入り込んでいるのを先日発見した。しかし、その後すぐに襲ってきた寒波のような状況によって、床に落ちて凍死状態になっていた虫たちの清掃を行った。雨も降り、預かった責任として綺麗に掃除してきたものの、心の中には複雑な思いが渦巻いていた。

 

「三寒四温」という言葉通り、徐々に気温が上がっていくのであればまだ許せるものの、ジェットコースターのように乱高下する気温は、人間にとっても虫にとっても迷惑以外の何物でもない。

 

しかし、自然の摂理には逆らえない。この気まぐれな季節の戯れを受け止め、心身ともに柔軟に対応していくことが大切なのだろう。そして、このような状況だからこそ、春の訪れをより一層感慨深く感じることができるのかもしれない。