八代亜紀さん

2024年01月10日

♪・・・

しみじみ飲めば しみじみと

想い出だけが 行き過ぎる

涙がポロリと こぼれたら

歌いだすのさ 舟唄を・・♪

 

これだけ読んでも見ても少しハスキーな声の沁みる歌声、そして外には静かに降って溶けて、でも降り積もる方が少し強い情景が見えませんか。

 

カウンターを挟み影のある男と女将が立場を超えたいで立ちでそれぞれの胸にこの歌をしみ込ませている。

 

歌声が邪魔をするわけでもなくBGMと化するわけでもなく。この情景ならば氷雨や津軽海峡冬景色も合うかも知れない。でも氷雨も津軽海峡冬景色も主体が単数なのかもしれない。しかしながらこの舟歌は理由はわからぬが冷たい空気の中で明日の日差しを待って芽吹く機会を静かに待つ感じがする。

 

詩も良いのでしょう。しかし八代亜紀の表現力とそれにふさわしい歌唱力声質があればこそ。

 

歌う姿ももちろん好きだが絵を描くときの眼差しが何とも言えない魅力がある。

 

熊本の震災の時には長靴(いわゆる雨靴です)を履いて動き回る八代出身の一人の人間の姿があった。

 

本当に本当に才能あふれる稀有な日本の宝を天に奪われた気がする。

 

心からご冥福をお祈りいたします。

 

きょうは昼から遠方に出かける必要があり時間がなさそうなので早めに書きます。